東京高裁平成31年1月23日判決(判例時報2423号29頁)

アカウントへログインしたユーザーがログアウトするまでの間に記事を投稿しものとまでは認められないとして、ログイン情報の開示を認めなかった事例(確定)


【事案の概要】

(1)控訴人(1審原告)は、現在、Aという芸名で芸能活動をしている女子高生である。
   被控訴人(1審被告)は、電気通信事業を営む株式会社であり、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)2条3項の特定電気通信役務提供者に当たる。

(2)平成29年8月20日午前1時12分、被告を経由プロバイダとしながら、ツイッター内の別紙アカウント目録(略)記載のアカウント(以下「本件アカウント」という。)へログイン(以下「本件ログイン」という。)をした者がいる。
   控訴人の端末に表示されていた平成29年8月20日頃(控訴人の所有する端末に表示された投稿日時は午後2時21分及び午後5時4分)、本件アカウントへ「整形」という記載等を含む別紙投稿記事目録(略)記載の各記事(以下「本件各記事」という。)を投稿した者がいる。

(3)本件アカウントには、平成29年8月17日以降、本件各記事が投稿される前までに11回のログインがされており、その経過は別紙「ログイン状況」(略)記載のとおりである。本件各記事が投稿される直近のログイン(⑪)が被控訴人を経由したログインである。
   上記11回のログインのうち、7回(④ないし⑩)は被控訴人以外のプロバイダ(NTTドコモ)を経由したログインであり、いずれも本件ログインの前24時間以内(グリニッジ標準時の平成29年8月19日)にされていた。なお、本件各記事の投稿は、控訴人の主張を前提とすると、本件ログインから約13時間ないし16時間が経過した後にされたことになる。
  他方、本件ログインを含むその他の4回(①ないし③、⑪)は、いずれも被控訴人を経由してログインがされていた。

(4)本件各記事が投稿された後、控訴人は、自己のツイッターのアカウントにおいて本件アカウントをブロックしたところ(ブロックしたアカウントからは控訴人をフォローできなくなる)、本件アカウントに「(略)」などとの記載がなされた。
   その後、本件カウントは閉鎖されているが、本件アカウントでは、平成29年10月頃までに、少なくとも196件のツイートがされており、同月頃にされたツイートの内容は、本件各記事との関連性は認められない(甲10。なお、被控訴人は、甲第10号証のアカウントと本件アカウントが別のアカウントである可能性を指摘したが、本件アカウントのユーザー名(ID)は複雑なものであり、別人が使用するとは考えにくいこと、共に2017年8月に登録とされているところ、同一名では別の者が同時に登録できないことなどから、採用されなかった。)。

(5)控訴人(1審原告)は、氏名不詳者によるツイッターへの投稿により、名誉が毀損され、プライバシーを侵害されたことが明らかであると主張し、被控訴人(1審被告)に対し、法4条1項に基づき、本件ログインをした者の氏名又は名称等、別紙発信者情報目録(略)記載の各情報(以下「本件ログイン情報」という。)の開示を求めた。
   原審は、本件ログイン情報は、法4条1項の発信者情報に当たらないと判断して、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した。


 【争点】

(1)権利侵害の明白性の有無(争点①)
(2)開示の正当理由の有無(争点②)
(3)被控訴人(1審被告)の開示関係役務提供者性(争点③)
(4)控訴人が開示を求める情報(注:原審のいう「本件ログイン情報」)の発信者情報該当性(争点④)
   以下、裁判所の判断の概要を示す。


   なお、原審は、争点④に関し、以下のとおり判示した。
 ア 発信者情報の開示請求権について定めた法4条1項の趣旨は、特定電気通信による権利侵害情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者に、権利侵害情報を流通させた発信者に関する情報の開示請求権を、開示関係役務提供者に対するものとして認め、権利を侵害されたとする者の利益を保護する一方で、その権利行使に際しては、権利侵害の明白性等の厳格な要件の充足を求め、憲法上保障されている発信者の通信の秘密等の利益保護に十分な配慮をする点にあると解される。
   よって、同項に基づく開示請求の対象は、開示請求者の権利を侵害したとする情報の発信者の情報に限られると解するのが相当である。この解釈は、同項但書きの「当該権利の侵害に係る発信者情報」という文理にも合致する。
 イ 原告(注:控訴人。以下同じ。)は、ツイッターの場合、ログイン時のIPアドレスしか記録されないから、ログイン情報を発信者情報に含めないと、ツイッターへの投稿で権利を侵害されても、一切、発信者情報の開示を請求し得ないことになり、不当である旨主張する。
   しかし、ログイン情報を発信者情報と解し得る規定は、法4条や同条1項が委任する特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条1項の発信者情報を定める省令の中に見いだせないのであって、原告が法令に定めのない発信者情報の開示請求権を有すると解することもできない以上、立法による解決を待つしかないというべきである。
   原告の前記主張は、採用することができない。


【裁判所の判断】

(1)争点④(控訴人が開示を求める情報の発信者情報該当性)について
 ア 控訴人は、法が権利を侵害された被害者の救済の目的で制定された経緯、法4条やその委任する省令において発信者情報としてログイン情報を除くという規定がないことに照らせば、発信者情報にはログイン情報も含まれると解すべきである旨主張する。
   これに対し、被控訴人は、4条1項の「権利の侵害に係る発信者情報」は、開示請求権者の権利を侵害したとする通信の過程において把握される発信者情報に限定されるべきであり、控訴人が開示を求める情報は、これと異なり本件ログインの際のものであるから、「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないと主張する。
   この点、法4条1項の文言上、開示の対象となるのは、「権利の侵害に係る発信者情報」である。
   しかし、例えば、権利の侵害に係る投稿の前に、ログインが一つしかないなど、当該ログインを行ったユーザーがログアウトするまでの間に当該投稿をしたと認定できるような場合には、当該ログインに係る情報を発信者情報と解することは妨げられるものではなく、発信者のプライバシー等の利益を考慮し、一定の厳格な要件のもと、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害を受けた者の救済を図る法の趣旨に照らせば、そのようなログインに係る情報も、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」に当たり得ると解される。
 イ そこで、本件各記事の投稿について、本件ログインを行ったユーザーが、本件アカウントからログアウトするまでの間に行ったものであると認められるか否かについて検討する。
  a)控訴人は、本件アカウントの投稿は、一貫して控訴人が整形していることについて言及していることや、まとまった時間に投稿されていることに照らせば、複数人がアカウントを共有して投稿しているというというよりも、個人が投稿していると言える旨主張する。しかし、
  ・本件アカウントの名称は、「〇〇応援隊」という、複数のユーザーにより共有されていることと矛盾しないものであること
  ・本件アカウントには、少なくとも7件の投稿(ツイート)が行われているが、本件各記事が投稿された前後にどのような投稿がされていたかは証拠上明らかでないこと
  ・平成29年8月17日以降、本件アカウントには、本件各記事の投稿がされるまでに11回のログインがあり、そのうち4回は被控訴人を経由するものであるが、7回は被控訴人以外のプロバイダを経由してされていること
に照らせば、本件アカウントが複数のユーザーの共有である可能性もあるところである。
   また、上記いずれのログインについても、対応するログアウトの日時は明らかではなく、ツイッターでは、フォローしているアカウントのツイートを閲覧するなどのため長時間投稿をせずにログイン状態が継続していることも想定されることからすれば、本件ログインより以前になされたログインによって、本件各記事の投稿が行われた可能性も十分にあるということができる。
  b)また、控訴人は、直近にログインした端末から投稿するのが自然である旨主張する。
   しかし、本件ログインが行われたのは、平成29年8月20日午前1時12分であるところ、本件各記事が投稿されたのは、同日午後2時21分、午後5時4分であって、本件ログインの13時間ないし16時間も後にされたものであり、ログインと投稿の連続性を認められるほど時間的な近接性がなく、そもそも上記のとおり長時間ログイン状態を継続していることも想定されるのであるから、必ずしも本件各記事の投稿が本件ログインによりされたことを裏付ける事情になるものではない。
  c)更に、本件各記事の投稿後も、平成29年10月頃までに、本件アカウントには合わせて196件のツイートがされ、投稿には控訴人の容姿の変化に関するものとは無関係なものも含まれていることに照らせば、本件各記事の投稿時点でも、本件アカウントに本件各記事を投稿したユーザーとは別のユーザーが存在した可能性を排斥することはできない。
  d)よって、本件各記事の投稿は、本件ログインを行ったユーザーが、本件アカウントからログアウトするまでの間に行ったものであるとまで認めることはできない。
  e)なお、本件各記事の投稿をした者以外の者のIPアドレスに係る住所、氏名等の個人情報を開示した場合には、その者の通信の秘密を侵害する結果を招くことに鑑みれば、開示を求める情報が法4条1項に規定する権利の侵害に係る情報に該当するか否かは、慎重な検討が求められると解され、別のユーザーにより投稿された可能性が一定程度存する以上、開示が認められない場合があっても、やむを得ないというべきである。
 ウ 以上によれば、控訴人が開示を求める本件ログインに係る情報が、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」ということはできない。したがって、その余の点について判断するまでもなく、控訴人の請求には理由がない。

(2)結論
   控訴人の請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がない(控訴棄却)。


 

東京高裁平成30年6月13日判決(判例時報2418号3頁)

侵害情報の送信の後に割り当てられたIPアドレスから把握される発信者情報でも、当該侵害情報の発信者のものと認められるのならば、法4条1項所定の「権利の侵害に係る発信者情報」にあたると判示した事例(確定)


【事案の概要】

(1)控訴人(1審被告)は、宗教法人であるAの代表役員であり、Xという通称を使用して書籍の出版等の活動を行っている者である。
   一方で、控訴人は、自ら、ツイッター上に、アカウント名を「X(本名x)、ユーザー名を「@〇〇」、プロフィールを「本名、x。△年生まれ。スピリチャル研究家にして、事業家、教育者、(中略)など、多彩な顔を持つ。Xは神霊家としての名前(中略)書籍も多数。」などとし、顔写真を掲載したアカウントを開設して、使用している。このアカウント(以下「控訴人アカウント」という。)は、平成23年5月に開設された。

(2)被控訴人は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)2条3項所定の特定電気通信役務提供者(特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者)である。

(3)ツイッター上に、氏名不詳者により、アカウント名を「X」、ユーザー名を「@●●」、プロフィールを「Xのプライベートアカウントです。(以下略)」とし、上記(1)と同じ顔写真を掲載したアカウントが開設されている(以下、このアカウントを「本件アカウント」、本件アカウント内にある控訴人の通称名を使用したアカウント名、プロフィール及び上記顔写真を「本件プロフィール等」といい、本件プロフィール等を投稿した者を「本件発信者」という。)。本件アカウントは、平成27年12月に開設された。

(4)控訴人は、ツイッターの運営会社であるツイッター・インク.(米国法人。以下「ツイッター社」という。)を相手方として、本件アカウントにログインした際のIPアドレス及びタイムスタンプのうち、平成27年12月以降のもので、ツイッター社が保有するもの全てについて、仮の開示を求める仮処分命令を東京地方裁判所に申し立てたところ、同裁判所は、平成29年4月12日、その旨の仮処分決定をした。

(5)ツイッター社は、平成29年4月20日、上記(4)の仮処分に基づき、控訴人に対し、IPアドレス及びタイムスタンプを開示した(以下、これらのうち別紙発信者情報目録(略)中の「(別紙)IPアドレス・タイムスタンプ目録」に記載されたものを、ぞれぞれ、「本件IPアドレス」、「本件タイムスタンプ」といい、これらを併せて「本件IPアドレス等」という。)。
   本件IPアドレスは、被控訴人が保有するものである。すなわち、本え件タイムスタンプの年月日及び時刻(日本時間で平成29年1月28日午前3時10分17秒から同年3月28日午前零時48分46秒まで)に、被控訴人の提供するインターネットサービスにより本件IPアドレスが割り当てられて、電気通信の送信がされたことになる。

(6)控訴人が、本訴を提起して、法4条1項に基づき、本件発信者の氏名又は名称及び住所の開示を求めたところ、原判決(東京地裁平成29年11月24日判決。判例時報2418号7頁)は、以下に引用するとおり述べて、原告の請求を棄却した。
   「法の定めの趣旨に鑑みると、法4条1項所定の発信者情報開示請求の要件は厳格に解すべきであり、『当該特定電気通信の用に供される特定電気通信役務提供者』(開示関係役務提供者)に当たるというためには、当該特定電気通信役務提供者が用いる特定電気通信設備が当該侵害情報の流通に供されたことが必要であるというべきである。
   これを本件についてみると、本件各送信は、原告の主張する侵害情報である本件投稿の後にログインされたものであることが明らかであるから、被告の管理する特定電気通信設備が当該侵害情報の流通に供されたとはおよそ認め難く、被告を本件投稿との関係で『開示関係役務提供者』であると認める余地はないといわざるを得ない。」


 【争点】

(1)被控訴人が控訴人の権利の侵害に係る発信者情報を保有しているといえるか
(2)本件プロフィール等によって被控訴人の権利が侵害されたことが明らかといえるか
(3)上記(1)の発信者情報が控訴人の損害賠償請求権の行使のために必要である又は上記発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか
   以下、裁判所の判断の概要を示す。
   なお、被控訴人は、上記(1)に関して以下のとおり主張した。
   ログイン情報にすぎない本件IPアドレスが割り当てられた電気通信の送信に係る契約者情報は、法4条1項の「当該権利の侵害に係る発信者情報」には当たらない。
   ツイッターによるログイン型投稿について、当該侵害情報の流通に供された送信の保有がなく、これが特定できないことから、発信者情報の開示に至らないとしても、それは、ツイッターという一つのサービスの仕組みに関する問題にすぎない。


【裁判所の判断】

(1)被控訴人が控訴人の権利の侵害に係る発信者情報を保有しているといえるか
 ア まず、本件IPアドレス等は、本件アカウントにログインした(ログイン情報を送信した)際に割り当てられたものであり、本件プロフィール等の侵害情報そのものを現実に送信した際に割り当てられたものではない。
   この点について、被控訴人は、ログイン情報の送信に係る契約者情報は、法4条1項所定の発信者情報には当たらない旨主張する。
   しかし、
  ①ツイッターの仕組みは、設定されたアカウントにログインし(ログイン情報の送信)、ログインされた状態で投稿する(侵害情報の送信)、というものであり、侵害情報の送信にログイン情報の送信が不可欠となること、
  ②法4条1項は、「侵害情報の発信者情報」と規定するのではなく、「権利の侵害に係る発信者情報」とやや幅をもって規定しており、侵害情報そのものから把握される発信者情報だけではなく、侵害情報について把握される発信者情報であれば、これを開示することも許容されると解されることに照らせば、
ログイン情報を送信した際に把握される発信者情報であっても、法4条1項所定の「権利の侵害に係る発信者情報」に当たり得るというべきである。
   被控訴人の上記主張は、採用することができない。
 イ 次に、本件IPアドレス等は、侵害情報である本件プロフィール等の投稿の後に割り当てられたものであり、本件プロフィール等の投稿の前に割り当てられたものではない。
   そこで検討すると、法4条1項は、発信者情報が、発信者のプライバシー、表現の事由、通信の秘密にかかわる情報であり、正当な理由がない限り第三者に開示されるべきではなく、また、これがいったん開示されると開示前の状態への回復は不可能となるため、発信者情報の開示請求について、厳格な要件を定めているものと解されるから、法4条1項の発信者情報をたやすく拡張して解釈することは相当でない。
   しかし、上記のとおり、法4条1項は、侵害情報そのものから把握される発信者情報でなくても、侵害情報について把握される発信者情報であれば、これを開示の対象とすることも許容されると解される。
   そして、侵害情報そのものの送信の後に割り当てられたIPアドレスから把握される発信者情報であっても、当該発信者情報の発信者のものと認められるのであれば、その開示は不当ではないと解されるし、
   また、開示対象となる発信者情報は、本件省令(注:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条1項の発信者情報を定める省令。なお、本件省令1号及び2号は、「発信者その他の侵害情報の送信に係る者」を開示対象として規定している。)で定められるものに限定列挙されており、いたずらに拡大されないように定められている。
   このことに、加害者の特定を可能にして被害者の権利の救済を図るという法4条の趣旨(最高裁平成22年4月8日判決)に照らすと、
侵害情報の送信の後に割り当てられたIPアドレスから把握される発信者情報であっても、当該侵害情報の発信者のものと認められるのであれば、法4条1項所定の「権利の侵害に係る発信者情報」に当たり得ると解するのが相当である。
 ウ そこで続いて、本件IPアドレスから把握される発信者情報が、侵害情報である本件プロフィール等の投稿者のものと認められるか否かを検討する。
   この点、本件アカウントは平成27年12月に開設されたものであるのに対し、本件IPアドレス等は、上記開設時から1年以上も後の平成29年1月28日から同年3月28日まで(日本時間)のものであること、被控訴人の保有する本件IPアドレス等は、本件アカウントにログインした際のIPアドレス及びタイムスタンプの一部に過ぎず、本件IPアドレス以外にも、相当数、本件アカウントにログインした際のIPアドレス及びタイムスタンプが存在することが認められる。
   しかし、一般に、同一人が、複数のプロバイダからのIPアドレスを割り当てられながら、1年以上同じアカウントにログインを続けることは、珍しいことではない。そして、上記のとおり、ツイッターの仕組みは、設定されたアカウントにログインし(ログイン情報の送信)、ログインされた状態で投稿する(侵害情報の送信)というものであるから、時的な先後関係にかかわらず、ログイン等と投稿者は同一である蓋然性が高いことが認められる。
   一方、本件アカウントは、後記(2)のとおり、控訴人本人になりすました本件プロフィール等をトップページに表示し続けながら、ツイートを非公開として使用されてきたもので、法人が営業用に用いるなど複数名でアカウントを共有しているとか、アカウント使用者が変更されたとか、上記の同一性を妨げるような事情は何ら認められない。
   このような事実からすると、本件IPアドレスを割り当てられてログインした者は、本件プロフィール等を投稿した者と推定するのが相当であるから、本件IPアドレス等から把握される発信者情報は、侵害情報である本件プロフィール等の投稿者のものと認めるのが相当である。
 エ そうすると、被控訴人は、控訴人の権利の侵害に係る発信者情報を保有しているということができる。

(2)本件プロフィール等によって被控訴人の権利が侵害されたことが明らかといえるか
   本件プロフィール等は、控訴人アカウントとは別に、控訴人の通称のほか、控訴人アカウントに掲載されているものと同じ顔写真を使用し、しかも、「Xのプライベートアカウントです。(以下略)」などと、あたかも、控訴人アカウントを公的なもの、本件アカウントを私的なものとして、いずれも控訴人が自ら開設したものであるかのように装っているものであると認められる。
   このような事実関係からすると、本件プロフィール等によって、控訴人の権利が侵害されていることは明らかというべきである。

(3)上記(1)の発信者情報が控訴人の損害賠償請求権の行使のために必要である又は上記発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか
   控訴人は、本件発信者に対する人格権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求の準備をしていると認められるから、そのために上記(1)の発信者情報が必要なことは明らかである。

(4)結論
   原判決を取り消した上、控訴人の請求を認容する(請求認容)。


 

知財高裁平成30年4月25日判決(判例時報2382号24頁)

リツイート行為が、控訴人の著作者人格権を侵害する行為であると認めたものの、最新のログイン時IPアドレス等の発信者情報該当性を否定した事例(上告受理申立中)


【事案の概要】

(1)本件は、控訴人が、インターネット上の短文投稿サイト「ツイッター」(以下「ツイッター」という。)において、被控訴人の著作物である原判決別紙写真目録記載の写真(以下「本件写真」という。)が、
  ①氏名不詳者により無断でアカウントのプロフィール画像として用いられ、その後当該アカウントのタイムライン及びリツイート(投稿)にも表示されたこと、
  ②氏名不詳者により無断で画像付きツイート(ツイッターにおける短文投稿のこと)の一部として用いられ、当該氏名不詳者のアカウントのタイムラインにも表示されたこと、
  ③氏名不詳者らにより無断で上記②のツイートのリツイートがされ、当該氏名不詳者らのアカウントのタイムラインに表示されたこと
により、控訴人の本件写真についての著作権(複製権、公衆送信権(送信可能化権を含む。)、公衆伝達権。以下、これらを総称して「本件著作権」という。)及び著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権、名誉声望保持権。以下、これらを総称して、「本件著作者人格権」とう。)が侵害されたと主張して、
   「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき、上記①~③のそれぞれについて、別紙発信者情報目録記載の情報の開示を求めるものである。
   なお、別紙発信者情報目録の内容は、以下のとおりである。
 1 別紙流通情報目録(注:下記PDFファイル参照)記載に係る各流通情報を発信した者(別紙アカウント目録(略)記載の各アカウント保有者)の電子メールアドレス
 2 別紙流通情報目録記載に係る別紙アカウント目録記載の各ツイッターアカウントにログインした際のアイ・ピー・アドレスのうち、本判決確定の日の正午時点(日本標準時)で最も新しいもの
 3 上記第2項のアイ・ピー・アドレスを割り当てられた電気通信設備から、被控訴人らの用いる特定電気通信設備に上記第2項のログイン情報が送信された年月日及び時刻
【改訂版】知財高裁H30.4.25判決

(2)原判決(東京地裁平成28年9月15日判決・判例時報2382号41頁)は、被控訴人米国ツイッター社に対する請求を、原判決別紙流通情報目録(略)記載1及び2の各アカウントの別紙原判決別紙発信者情報目録(第1)(略)記載の3の各発信者情報(注:電子メールアドレス)の開示を求める限度で認容し、被控訴人米国ツイッター社に対するその余の請求及び被控訴人ツイッタージャパンに対する請求をいずれも棄却したので、これを不服とする被控訴人が本件控訴を提起した。


 【争点】

(1)被控訴人ツイッタージャパンが別紙発信者情報目録の情報を保有しているか
(2)別紙アカウント目録(略)記載のアカウント1(以下「本件アカウント1」という。その他のアカウントについても、同じ。)及び本件アカウント2につき、ツイート及びタイムラインへの本件写真の表示(流通情報1(6)及び(7)、2(3)及び(4)により控訴人の本件著作権及び本件著作者人格権が侵害されたことが明らかであるか(プロバイダ責任制限法4条1項1号)
   なお、本件プロフィール画像設定行為及びタイムラインへの本件写真の表示(流通情報1(1)~(5)並びに本件ツイート行為2及び本件ツイート2(注:原判決のいうもの)への表示(流通情報2(1)及び(2)が控訴人の公衆送信権(著作権法23条1項)を侵害することは当事者間に争いがない。
(3)本件アカウント3~5につき、本件リツイート行為(流通情報3~5)により控訴人の本件著作権及び本件著作者人格権が侵害されたことが明らかであるか(プロバイダ責任制限法4条1項1号)等
(4)判決確定日時点における最新のログイン時IPアドレス及びこれに対応するタイムスタンプが、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条第1項の発信者情報を定める省令」(以下「省令」という。)4号の「侵害情報に係るIPアドレス」及び7号の「侵害情報が送信された年月日及び時刻」に該当するものとして、プロバイダ責任制限法4条1項により開示されるべき「権利の侵害に係る発信者情報」に該当するか
(5)控訴人が発信者情報の開示を受けるべき正当な理由(プロバイダ責任制限法4条1項2号)を有するか
   以下、本判決の主文を示したのちに、上記争点に関する裁判所の判断の概要を示す。


【主文】

1  原判決を次のとおり変更する。
(1)被控訴人米国ツイッター社は、控訴人に対し、
  ①被控訴人米国ツイッター社が運営するツイッターにおいて、別紙流通情報目録1(1)~(4記載のURLにアクセスしたクラインアントコンピュータ・モニター画面に、同目録(1)~(4「表示される画像」記載の各画像が表示されるように設定した本件アカウント1のアカウントの保有者
  ②ツイッターにおいて、クライアントコンピュータが、別紙流通情報目録1(5記載のURLのウェブページにアクセスした際に、タイムラインに表示される自ら投稿したツイート毎に表示される自らのプロフィール画像として、同目録1(5「表示される画像」記載の画像が表示されるように設定した本件アカウント1のアカウントの保有者
  ③ツイッターにおいて、クライアントコンピュータが別紙流通情報目録2(1記載のURLにアクセスした際に表示される、本件ツイート1に表示される画像として、別紙流通情報目録2(1「表示される画像」記載の画像が表示されるように設定した本件アカウント2のアカウントの保有者
  ④ツイッターにおいて、別紙流通情報目録2(2記載のURLにアクセスしたクライアントコンピュータ・モニタ画面に、同目録2(2「表示される画像」記載の画像が表示されるように設定した本件アカウント2のアカウントの保有者
  ⑤ツイッターにおいて、クライアントコンピュータが別紙流通情報目録2(3)及び(4記載のURLのウェブページにアクセスした際に、タイムラインに表示される本件ツイート1に表示される画像として、別紙流通情報目録2(3)及び(4「表示される画像」記載の画像が表示されるように設定した本件アカウント2のアカウントの保有者
  ⑥ツイッターにおいて、クライアントコンピュータが別紙流通情報目録3~5記載の各URLのウェブページにアクセスした際に、タイムラインに、別紙流通情報目録3~5「表示される画像」記載の画像が表示されるように設定した本件アカウント3~5のアカウントの保有者
   の電子メールアドレスを開示せよ。
(2)控訴人の被控訴人米国ツイッター社に対するその余の請求及び被控訴人ツイッタージャパンに対する請求をいずれも棄却する。

2以下 略


【裁判所の判断】

(1)被控訴人ツイッタージャパンが別紙発信者情報目録の情報を保有しているか
   被控訴人ツイッタージャパンが発信者情報を保有しているとは認められないから、控訴人の被控訴人ツイッタージャパンに対する請求はいずれも理由がない。

(2)争点(2)(本件アカウント1及び2における本件写真の表示(流通情報1(6)及び(7)、2(3)及び(4)による控訴人の著作権等侵害の明白性)及び争点(3)(本件リツイート行為(流通情報3~5)による著作権等の侵害の明白性)について
   事案に鑑み、争点(3)について判断し、その後に争点(2)について判断する。
 ア 事実関係等
   本件リツイート行為により本件アカウント3~5のタイムラインのURLにリンク先である流通情報2(2)のURLのインラインリンクが設定されて、同URLに係るサーバーから直接ユーザーのパソコン等の端末に画像ファイルのデータが送信され、ユーザーのパソコン等に本件写真の画像が表示されるものである。
   もっとも、ユーザーのパソコン等の端末に、本件写真の画像が表示させるためには、どのような大きさや配置で、いかなるリンク先からの写真を表示させるか等を指定するためのプログラム(HTMLプログラム、CSSプログラム、JavaScriptプログラム)が送信される必要があること、本件リツイート行為の結果として、そのようなプログラムが、リンク元のウェブページに対応するサーバーからユーザーのパソコン等に送信されること、そのことにより、リンク先の画像とは縦横の大きさが異なった画像や一部がトリミングされた画像が表示されることがあること、本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は、流通情報2(2)の画像とは異なるものであること(縦横の大きさが異なるし、トリミングされており、控訴人の氏名も表示されていない)が認められる。
 イ 公衆送信権侵害(著作権法23条1項)について
   控訴人が著作権を保有しているのは、本件写真であるところ、本件写真のデータは、リンク先である流通情報2(2)に係るサーバーにしかないから、送信されている著作物のデータは、流通情報2(2)のデータのみである。そして、公衆送信は、「公衆によって直接受信されることを目的として送信を行うこと」であるから、公衆送信権侵害との関係では、流通情報2(2)のデータのみが「侵害情報」というべきである。
   本件リツイート行為によってユーザーのパソコン等に表示される本件写真の画像は、それらのユーザーの求めに応じて、流通情報2(2)のデータが送信されて表示されているといえるから、自動公衆送信(公衆送信のうち、公衆からの求めに応じて自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。))に当たる。
   自動公衆送信の主体は、当該装置が受信者からの求めに応じ、情報を自動的に送信できる状態を作り出す行為を行う者と解されるところ(最高裁平成23年1月18日判決参照)、本件写真のデータは、流通情報2(2)のデータのみが送信されていることからすると、その自動公衆送信の主体は、流通情報2(2)のURLの開設者であって、本件リツイート者らではないというべきである。著作権侵害行為の主体が誰であるかは、行為の対象、方法、行為への関与の内容、程度等の諸般の事情を総合的に考慮して、規範的に解釈すべきであり、カラオケ法理と呼ばれるものも、その適用の一場面であると解される(最高裁平成23年1月20日参照)が、本件において、本件リツイート者を自動公衆送信の主体というべき事情は認め難い。
 ウ 複製権侵害(著作権法21条)について
   前記イのとおり、著作物である本件写真は、流通情報2(2)のデータのみが送信されているから、本件リツイート行為により著作物のデータが複製されているということはできない。
 エ 公衆伝達権侵害(著作権法23条2項)について
   著作権法23条2項は、公衆送信された後に公衆送信された著作物を、受信装置を用いて公に伝達する権利を規定しているものである。ここでいう受信装置がクライアントコンピュータであるとすると、その装置を用いて伝達している主体は、そのコンピューターのユーザーであると解される。よって、本件リツイート者らを伝達主体と評価することはできない。
 オ 著作者人格権侵害について
  a)同一性保持権(著作権法20条1項)侵害
   前記アのとおり、本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は、流通情報2(2)の画像とは異なるものである。この表示されている画像は、表示するに際して、本件リツイート行為の結果として送信されたHTMLプログラムやCSSプログラム等により、位置や大きさなどが指定されたために、上記のとおり画像が異なっているものであり、流通情報2(2)の画像データ自体に改変が加えられているものではない。
   しかし、表示される画像は、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものとして、著作権法2条1項1号にいう著作物ということができる。そして、上記のとおり、表示するに際して、HTMLプログラムやCSSプログラム等により、位置や大きさなどを指定されたために、本件アカウントの3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は流通目録3~5のような画像となったものと認められる。よって、本件リツイート者らによって改変されたもので、同一性保持権が侵害されている。
  b)氏名表示権侵害(著作権法19条1項)について
   本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている画像には、控訴人の氏名は表示されていない。そして、前記アのとおり、表示するに際して、本件リツイート行為の結果として送信されたHTMLプログラムやCSSプログラム等により、位置や大きさなどが指定されたために、本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は流通目録3~5のような画像と異なり、控訴人の氏名が表示されなくなったものと認められる。よって、控訴人は、本件リツイート者らによって、本件リツイート行為により、著作物の公衆への提供又は提示に際し、著作者名を表示する権利を侵害された。
  c)名誉声望保持権(著作権法113条6号)について
   本件リツイート者らは、控訴人の名誉声望保持権(著作権法113条6号)を侵害したとは認められない(詳細略)。
 カ 「侵害情報の流通によって」(プロバイダ責任制限法4条1項1号)及び「発信者」(同法2条4号)について
   前記オa)b)のとおり、本件リツイート行為は、控訴人の著作者人格権を侵害する行為であるところ、前記オa)b)認定の侵害態様に照らすと、この場合には、本件写真の画像データのみならず、HTMLプログラムやCSSプログラム等のデータ等のデータを含めて、プロバイダ責任制限法上の「侵害情報」ということができ、本件リツイート行為は、その侵害情報の流通によって控訴人の権利を侵害したことが明らかである。そして、この場合の「発信者」は、本件リツイート者らである
 キ 争点(2)について
   本件アカウント2(3)(4)については、流通情報3~5と同様に、流通情報2(2)の画像が改変され、控訴人の氏名が表示されていないということができるから、著作者人格権の侵害がある。
   しかし、本件アカウント1の流通情報1(6)(7)については、流通情報1(3)の画像と同じものが表示されているから、著作者人格権の侵害があると認めることはできない。これらについて著作権の侵害を認めることができないことは、流通情報3~5と同様である。

(3)争点(4)(最新のログイン時IPアドレス等の発信者情報該当性)について
 ア 控訴人は、最新のログイン時IPアドレスが省令4号の「侵害情報に係るアイ・ピー・アドレス」に、同タイムスタンプが同7号の「侵害情報が送信された年月日及び時刻」に該当し、プロバイダ責任制限法4条1項の「権利の侵害に係る発信者情報」に当たる旨主張する。
 イ この点、プロバイダ責任制限法4条1項は「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、・・・当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。・・・)の開示を請求することができる。」と定めているところ、同項は、「当該権利の侵害に係る発信者情報」について開示を認めるとともに、具体的に開示の対象となる情報は総務省令で定めるとし、省令はこれを受けて、省令4号は「侵害情報に係るアイ・ピー・アドレス・・・及び当該アイ・ピー・アドレスと組み合わされたポート番号」と、同7号は「侵害情報が送信された年月日及び時刻」とそれぞれ定められているのであるから、省令4号の「侵害情報に係るアイ・ピー・アドレス」には当該侵害情報の発信に関係しないものは含まれず、また、当該侵害情報の発信と無関係なタイムスタンプは同7号の「侵害情報が送信された年月日及び時刻」に当たらないと解するのが相当である。
   これを本件についてみると、本件アカウント1が開設されたのは平成25年4月1日であり、本件プロフィール画像設定行為がされたのは遅くとも平成27年1月21日であることなどが認められる。なお、控訴人が札幌地方裁判所に本件訴えを提起したのは、平成27年3月25日である。
   そうすると、控訴人が開示を求める最新のログイン時IPアドレス及びタイムスタンプは、本件において侵害情報が発進された上記各行為と無関係であり、省令4号及び7号のいずれにも当たらない。したがって、別紙発信者情報目録記載2及び3(【事案の概要】(1)参照)についての控訴人の被控訴人米国ツイッター社に対する請求は理由がない。
 ウ これに対し、被控訴人は、ツイッターにおいては、被控訴人らが唯一保有している最新ログイン時IPアドレス及びこれに対するタイムスタンプが開示されなければ、控訴人の権利を侵害した侵害情報発信者を特定する途を絶たれることになる(注:控訴人は、被控訴人らが提供するツイッターサービスにおいては、記事の投稿に係るIPアドレス及びタイムスタンプは取得されず、記事投稿直前のログイン時のIPアドレス及びタイムスタンプの情報が取得される。逆に、記事投稿時のタイムスタンプは公開されているが、記事投稿時のIPアドレスが保有されていないため、IPアドレスが不明な投稿時のタイムスタンプは発信者特定において意味をなさないと主張している。)などと主張する。
   しかし、プロバイダ責任制限法4条及び同法の委任による省令は、発信者が有するプライバシーや表現の事由、通信の秘密等の権利・利益と権利を侵害された者の差止め、損害賠償等の被害回復の利益との調整を図るために設けられた規定であって、プロバイダ責任制限法は、その範囲で発信者情報の開示を求める権利を認めているものである。そして、前記イ判示のとおり、プロバイダ責任制限法4条及び省令において開示を求める権利が認められているものの中に、最新ログイン時IPアドレス及びこれに対するタイムスタンプは含まれていない。したがって、控訴人の主張は、立法論にとどまるものというほうかなく、失当である。
   なお、プロフィール写真として無断使用された場合、全ツイート記事へ画像表示されるとしても、侵害行為としては、プロフィール画像として写真の画像ファイルをアップロードしたことで完結しており、その後画像表示が継続されることが当然に侵害行為となるということはできない。

(4)争点(5)(発信者情報の開示を受ける正当な理由の有無)
   以上のとおり、控訴人は本件アカウント1~5に本件写真を表示させた者に対し著作権又は著作者人格権の侵害を理由として権利行使し得るところ、上記の者の特定に資する情報を知る手段が他にあるとは認められないから、発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある。

(5)結論
   控訴人の請求は、被控訴人米国ツイッター社に対して、主文1(1)の電子メールの開示を求める限度で理由がある(原判決変更)。


【追記】

   令和元年10月3日、最高裁判所にて、本件の記録を閲覧し、別紙流通情報目録PDFファイル及び別紙ツイート目録(注:「ツイート1」として、本件アカウント2によるツイートのみが記載されているもの)に関する記載を改訂した。