東京都美術館ー2025.12.2

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢(会期:2025.9.12-12.20)

オランダのファン・ゴッホ美術館の協力の下、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の生涯とその作品の普及に果たした家族の貢献を回顧する展覧会です。

1 概要

第1章から第5章までの5部構成(ただし、第1章は映像と解説のみ)ですが、ゴッホの作品が展示されているのは、一部の作品を除き、「第3章 フィンセント・ファン・ゴッホの絵画と素描」と「第4章 ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルが売却した絵画」です。特に「第3章」は、年代順に展示されているため、ゴッホのミニ回顧展のようでした。

2 雑感

本展覧会の目玉である「画家としての自画像」(1987-1988年)は、ゴッホが、絵画の技法について試行錯誤した末に辿りついた境地を示すものであり、全体から自信と風格を感じさせるものでした。また、「種まく人」(1888年)も、日本の浮世絵を思わせる大胆な構図と強烈な色遣いが印象的でした。

3 付記

「画家としての自画像」でゴッホの上着の模様は、色鮮やかな青地に橙色の線が流星のように彩られており、「星月夜」(1889年)の夜空の大渦巻を連想しました(下記の写真は、筆者が2009年にニューヨーク近代美術館で撮影したもの)。