西洋絵画、どこから見るか?ールネサンスから印象派まで(会期:2025.3.11-6.8)
国立西洋美術館とサンディエゴ美術館が所蔵する作品を紹介し、西洋絵画の見方、楽しみ方を提案する企画展です。

1 概要
「第1章 ルネサンス」、「第2章 バロック」、「第3章 18世紀」及び「第4章 19世紀」の4部構成で、年代順に作品が展示されていました。
第1章 ルネサンス
14世紀から16世紀のイタリアでは、遠近法などの技法を用いて、写実的な表現手法で理想化された人物像を描いたルネサンスが隆盛しました。主題として多く用いられたのは、聖書の一場面であり、マグダラのマリアもその一つです。下記の作例は、ベルナルディーノ・ルイーニ(1480年頃-1532年)の「マグダラのマリアの回心」(1529年頃)で、マリアが姉のマルタに諭されて回心する場面が描かれています。

第2章 バロック
西洋絵画の歴史上、17世紀は、観者の感情を揺さぶるような劇的な表現の宗教画を中心とする、バロックの時代と位置付けられますが、スペインでは、ボデゴンとも呼ばれる、リアリズムを追求した静物画も発展しました。下記の作例は、フアン・サンチェス・コターンの「マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物」(1602年頃)で、後世の静物画の模範となりました。

第3章 18世紀
18世紀は、フランスの宮廷でロココ美術が花開いた後、世紀の半ば以降、フランス革命やナポレオンの思想と調和した新古典主義が隆盛しました。啓蒙思想の普及と相まって、官立サロンには、女流画家も出品するようになり、その代表者が、マリー=ガブリエル・カペ(1761-1818年)や、新古典主義の旗手であるジャック=ルイ・ダヴィッド(1748-1725年)に師事したマリー=ギユミーユ・ブノワ(1768-1826年)です。下記の作例は、ブノワの「婦人の肖像画」(1799年)で、優美な繊細さとともに、新古典主義的な造形の強さを感じさせます。

第4章 19世紀
19世紀は、近代の始まりであり、絵画の世界においても、新古典主義やロマン主義からレアリスムや印象派へと移り変わる激動の時代でした。
1870年代にパリで発生した印象派を代表する画家の一人であるカミーユ・ピサロ(1830-1903)は、1870年代末からパリを離れてポントワースに移り住み、農民の生活を主題とした作品を制作しました。下記の作例は、垣根の存在を効果的に生かしたものとして、セオドア・ロビンソン(1852-1896年)の「乱入者」(1891年)と並置された、「立ち話」(1881年頃)です。

2 雑感
作品の半分程は国立西洋美術館で所蔵するものであり、常設展で見たものもありましたが、テーマに共通性のある同時代の作品と見比べることで、以前と異なる視点で鑑賞できました。
