国立西洋美術館ー2025.12.24

印象派展ー室内をめぐる物語(会期:2025.10.25-2026.2.15)

印象派の画家たちの描いた室内空間をテーマとして、オルセー美術館所蔵の作品70点を中心に、約100点の肖像画、風景画、装飾美術等を展示する展覧会です。

1 概要

本展覧会は、4部構成となっており、それぞれのテーマは以下の通りです。
Ⅰ 室内の肖像ー創作の空間で/モデルを映し出す部屋で
Ⅰー1 投影された「富、階級、職業」
Ⅰー2 装飾としての女性
Ⅰー3 家族の肖像ー「社会と心理の実験室」としての家庭
Ⅱ 日常の情景ー気晴らし、夢想、親密さ
Ⅱー1 家でのくつろぎー休息、娯楽、手仕事
Ⅱー2 私的日課ー入浴、身づくろい
Ⅲー室内の外光と自然ー取り込まれる風景、植物
Ⅲー1 内と外との交わりーテラス、バルコニー、温室、花々
Ⅲー2 ジャポニズムー装飾としての自然
Ⅳ 印象派の装飾ー室内への新しいまなざ
Ⅳー1 壁面を彩るー現代的な装飾に向かって
Ⅳー2 室内の風景、あるいは内なる風景

「Ⅰ」と「Ⅱ」では、室内にいる人物あるいは室内そのものを画題とした作品が、「Ⅲ」では、室内の拡張であるバルコニーや温室にいる人物等を題材とした作品が展示されており、空間的な連続性があります。これに対し、「Ⅳ」では、室内の特定の空間に展示することを予定して制作された絵画等が展示されており、室内に対する視点が転換されています。
下記の作例は、「Ⅰー3」に展示されていた、エドガー・ドガの「家族の肖像(ベレッリ家)」(1858-1869年)です。201.0×249.5cmの大きさであり、青みがかった柔らかな色彩の中に、緊張感の漂う人物像が描かれています。

下記の作例は、「Ⅱー1」に展示されていた、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「ピアノを弾く少女たち」(1892年)です。光り輝く色彩が印象的な作品です。

下記の作例は、「Ⅲー1」に展示されていた、アルベール・バルトロメの「温室の中で」(1881年頃)です。235.0×145.0cmの大きさであり、若くして亡くなった画家の夫人を描いたものです。

下記の作例は、「Ⅳー2」に展示されていた、ギュスターヴ・カイユボットの「ヒナギクの花壇」(1892-1893年)です。205.6×116.0cmの大きさの2枚のパネルで構成された装飾パネルです。オランジェリー美術館所蔵のクロード・モネの「睡蓮」(1914-1926年)を連想させます。

2 雑感

居室やその延長である庭や温室等の私的空間が、調度品とともに、モデルとなった人物の生活や人となりを物語ることを実感しました。